【身バレ防止&テスター不要】個人アプリ開発の「実名・住所公開」と「12人の壁」を回避する組織アカウント取得完全ガイド
はじめに
個人で商用のAndroid/iOSのスマホアプリを公式ストアにて公開する場合、通常は実名、住所、電話番号などの、あなたのプライバシー情報が開発元としてストアで公開されることになります。
これは特定商取引法に基づいた表示であるため非表示にすることはできませんが、インターネット上に堂々と個人情報を晒すことに抵抗感がある方も多いと思います。
さらに、GooglePlayではアプリの審査に入る前に、多くの第三者を交えたクローズドテストを実施する必要があり、非常に労力及び時間が掛かることになります。
本記事では、これらのプライバシー問題、GooglePlayでのクローズドテスト問題を組織アカウントによって解決する方法を私の実体験(2025年10月頃)に沿ってご紹介します。
既にこの類の記事は他にもありますが、組織アカウント登録のために必要な手続きを最初から最後まで包括的に、その背景までしっかり解説したものが見当たらなかったため、私自身苦労した経験から執筆するに至りました。
対象読者
スマホアプリをiOS/Androidの公式ストア(AppStore/GooglePlay)でリリースしたい
ストアでの実名や住所などのプライバシー情報の露出を極力抑えたい
アプリ審査の12人のテスターフェーズをスキップしたい(GooglePlay)
組織アカウントの2つのメリット
スマホアプリはApp Store(iOS)やGoogle Play(Android)といった公式ストアを介してリリースするのが一般的ですが、そのためにはApple・Googleのデベロッパーアカウントが必要です。
このデベロッパーアカウントには個人アカウントと組織アカウントの2種類存在し、前述の通り基本的に組織アカウントの方が、プライバシー保護及び審査の側面で有利な実態があります。
1. プライバシー保護
個人アカウントの場合、アプリの開発者としてあなたの実名がストアページに載ることになります。ハンドルネームなどを用いることはできず、これは避けて通れません。
一方組織アカウントの場合、実名の代わりに企業名や屋号を開発元として表示することが可能です。
なおGoogle Playの場合は住所や電話番号などもストアに表示されますが、これはアカウント種別(個人・組織)に関わらず、住所はバーチャルオフィス、電話番号はサブ電話番号での登録でプライバシーを確保することができます。
本記事ではバーチャルオフィス、サブ電話番号の契約についても触れます。
App StoreのYoutubeアプリのデベロッパセクション(組織アカウント表示例)
GooglePlayのYoutubeアプリのサポートセクション(組織アカウント表示例)
2. 審査の簡便化(Google)
Google Playでは、個人アカウントは12人以上のクローズドテストを経て、ようやく本審査に進むことができます。
組織アカウントの場合はこのテストが免除され、すぐに本審査に進めます。このメリットだけでも組織アカウントを検討する価値があります。
詳細はこちら。
Google Play 個人アカウントの場合の無茶振り
1,2を簡単に表にしてまとめると、次のようになります。
| ストア | アカウント種別 | 対象 | 公開情報 | アプリ審査 |
| Apple | 個人 | 個人,個人事業主 | 実名 | 通常審査 |
| 個人 | 個人 | 実名,住所,電話番号 | 12人以上のテストを経てから通常審査 | |
| Apple | 組織 | 法人,(個人事業主) | 法人名(屋号) | 通常審査 |
| 組織 | 法人,個人事業主 | 法人名(屋号),事業所所在地,事業用電話番号 | 通常審査 |
組織アカウントの登録要件
最も堅実なのは法人で登録することですが、法人を立ち上げるだけでも数十万円掛かる上、維持にも決して少なくない費用が掛かり続けるため、一定以上の収益が無い場合は割に合いません。
代替案として、個人事業を開業することが最も手軽かつ費用の掛からない手段となります。
本記事では個人事業主として、Apple/Googleで組織アカウントとしてデベロッパーアカウントを登録することを目指します。
WARNING
Appleは公式には個人事業主は個人アカウントを利用すべしと明言しており、個人事業主の立場で組織アカウントを作成することはグレーな可能性があります。
Appleヘルプページ
「個人事業主は個人アカウントを作ってね」という催促は、ヘルプページだけでなく組織アカウントでの登録の過程で何回か表示されます。
しかし現状は個人事業主としての証明書類で組織アカウントの作成(移行)審査が通る事例が筆者含めて多数報告されています。
明らかに人の目を通した審査をしているので機械的なシステムの穴を突いたものではありませんが、Appleの推奨から外れた行為であることを認識した上で自己責任でお願いいたします。
※一方Googleは、個人事業主の立場での組織アカウント登録が認められていると考えるのが妥当な組織アカウント要件になっているので、堂々と登録可能です。
プライバシー保護の限界
組織アカウントで登録することで、ストアページにおいてはプライバシーを守れることは前述の通りですが、特定商取引法により、個人事業者は 「事業者氏名」「事業所の住所」「電話番号」の開示が義務付けられています。
実際のストアにおいては、恐らく広告の表示事項を省略できる場合の規定を活用し、特にAppleStoreにおいては一部情報が伏せられています。
| ストア | アカウント種別 | 公開情報 |
| Apple | 個人 | 実名 |
| 個人 | 実名,住所,電話番号 | |
| Apple | 組織 | 法人名(屋号) |
| 組織 | 法人名(屋号),事業所所在地,事業用電話番号 |
これは、 「事業者情報をユーザーから請求された場合に即座に情報提供する体制が整っているなら、広告ページでの事業者表示は一部省略してもいいよ」 といったものでしかないので、結局は消費者からの事業者情報の請求があった場合に即開示する必要があるので、この点は割り切る必要があります。
しかし、あなたのプライバシー情報が繁華街に張り出されているのと、入手に請求の手間があるのとないのとでは大きな差があるため、本記事が依然としてあなたのプライバシー保護の一助となることは間違いありません。
事前に準備するもの
手続きを開始する前に、以下の2点を用意しておく必要があります。
マイナンバーカード
手続き上マイナンバーカードは必須です。開業届の電子申請やe-Taxでの各種手続きに必要となります。
お持ちでない場合は、今後のためにもこれを機に取得しておくことを強く推奨します。
クレジットカード
Apple Developer ProgramやGoogle Play Consoleのメンバーシップ料及び登録料支払いにクレジットカードが必要です。
また、バーチャルオフィスや事業用電話番号の契約にもクレジットカードが必要となる場合が多いです。
本記事で取得するもの
本記事の手順で取得する項目と、それぞれに掛かる費用の目安を以下の表にまとめました。
| 取得するもの | ステップ | 費用(目安) | 用途 |
| バーチャルオフィス住所 | 1 | 300円/月〜 | 事業所住所 |
| 事業用電話番号 | 2 | 500円/月〜 | 事業用連絡先 |
| 開業届(控え) | 3-4 | 0円 | 組織証明書類 |
| 独自ドメイン | 5 | 数百円/年〜 | 事業Webサイト・メールアドレス基盤 |
| 事業Webサイト | 6-7 | 0円 | 組織アカウント審査 |
| 独自ドメインメールアドレス | 8 | 0円 | 組織アカウント審査 |
| DUNS番号 | 9 | 0円 | 組織アカウント審査 |
| Apple Developer登録 | 11-12 | 12,900円/年 | iOS開発者アカウント |
| Google Play Console登録 | 13 | 3,750円 | Android開発者アカウント |
NOTE
バーチャルオフィスと事業用電話番号は任意です。
ただし、これらを契約しない場合は自宅住所や個人の電話番号がストアページ等で公開されることになります。
1. バーチャルオフィス契約(任意)
バーチャルオフィスの必要性
Google Playではストアページに事業所の住所が公開されます。App Storeでは表示がありませんが、前述の特定商取引法により、ユーザーから請求があれば事業所住所を提供する必要があります。
自宅住所のプライバシーを確保したい場合は、バーチャルオフィスを契約して事業所住所として登録する必要があります。
GooglePlayのYoutubeアプリのサポートセクション(組織アカウント表示例)
サービスの選択
バーチャルオフィスサービスは多数あります。
契約プランの選択
個人事業主の事業所として指定する必要がある住所のレンタルはどのプランにも含まれるので、お好みで問題ありません。
参考までに、筆者は 「法人登記NG & 郵便物転送あり」 プランを契約しています。
WARNING
「郵便物転送なし」プランは安価ですが、国税などからの重要書類も破棄されるリスクがあります。
近年は通知がe-Tax経由で電子的に届くので不要説もありますが、筆者は念の為安全策として郵便物転送ありプランを選択しました。
契約手順
どのサービスでも親切なUIに沿って入力及び申請するだけなので、詳細な手順は省略させて頂きます。
一点注意点としては、屋号(事業名)は必ず入力しましょう。
屋号は後から変更可能ですが、今決めると以降の手間が省けます。
2. 事業用電話番号の取得(任意)
事業用電話番号の必要性
Google Playではストアページに開発元の電話番号が公開されます。App Storeでは表示がありませんが、前述の特定商取引法により、ユーザーから請求があれば電話番号を提供する必要があります。
あなたの私的な電話番号のプライバシーを確保したい場合は、事業用電話番号を新たに取得する必要があります。
GooglePlayのYoutubeアプリのサポートセクション(組織アカウント表示例)
プランの選択
スマホアプリをリリースすることだけが目的の場合、よほど特殊なアプリをリリースしない限りは事業用電話番号はほとんど使われないはずなので、通話・SMSの必要最低限機能で月額が安いものを選びましょう。
次のサイトで 「月額料金の安い順」に並び替え、音声通話SIM&SMS対応 に絞ってプランを探すと便利です(組織アカウント登録にはSMS機能が必須です)。
契約方法
「音声通話SIM&SMS対応」 であれば、他に特別な注意点はないので、サービスの指示に従って契約しましょう。
あなたのスマホ端末がeSIMに対応しているのであれば、最短即日で完了します。
ちなみに筆者は日本通信のシンプル290プラン(月額290円)で契約しました。
3. 個人事業主の開業・廃業等届出書の提出
個人事業主の開業・廃業等届出書
所得税の青色申告承認申請書
開業の必要性
Apple/Googleの組織アカウント登録をするためには、法人または個人事業主であることを証明する必要があります。
本記事では、個人事業を開業する方針で解説します。
サービスの選択
次のいずれかのサービス(全て無料)を使って開業届を提出します。
どのサービスにおいても親切なUIに沿ってフォームに必要事項を入力していくだけなので、ここでは詳細な手順は省略し、申請上の注意点のみ触れます。
書類作成の注意点
屋号を必ず設定(組織アカウント登録で必須)
事業所住所はバーチャルオフィスから指定された住所を設定
事業所電話番号は事業用に契約したサブ電話番号を設定
屋号は必ず設定
NOTE
筆者は屋号を設定せずに事業を立ち上げたため、屋号更新の手続きで地獄を見ました。その話はまた別の記事で。
所得税の青色申告承認申請書
サービスによっては任意で所得税の青色申告承認申請書を同時提出するか選択を迫られるかもしれません。その場合、提出しておいて損はないので、提出しておきましょう。
詳細が気になる方はこちらなどで勉強するとよいでしょう。
受理通知の確認
提出から数分で受理通知またはエラー通知がe-Tax(国税に関する手続きをネットから行えるシステム)のお知らせ・受信通知に届きます。
e-Taxの右上のログインボタンからe-Taxにログインします。
お知らせ・受信通知
お知らせ・受信通知ボタンを選択します。
お知らせ・受信通知
無事受理されていれば「個人事業の開業・廃業等届出」というメッセージが届いているので開きましょう。次のステップで必要な情報がこの通知書に含まれています。
お知らせ・受信通知
4. 開業届の控え(組織証明書類)の作成
組織証明書類の必要性
開発者登録の過程で組織の証明書として開業届の控えが必要になりますが、オンラインでの申請の場合は控えが発行されません。
代わりに、開業届の受理通知からダウンロードできる、開業届の帳票及び電子申請等証明データシートを結合したものを証明書類とします。
開業届の帳票のダウンロード
前のステップの受理通知を開きましょう。
通知ページ上の 「帳票を表示する」 ボタンから、「個人事業の開業・廃業等届出書:1枚」の ①帳票をダウンロードします。
帳票のダウンロード
電子申請等証明データシートのダウンロード
続けて、その下の電子申請等証明書交付請求セクションの 「交付請求画面へ」 から表示できる ②電子申請等証明データシートをPDF化したものをダウンロードします。
PDF化はブラウザの「印刷」機能を使うか、Chromeなら拡張機能を使えます。
電子申請等証明書交付請求
電子申請等証明データシート
開業届の帳票と電子申請等証明データシートを結合
次に、①個人事業の開業・廃業等届出書の帳票 と ②電子申請等証明データシートをPDF化したものを結合して1つのPDFにします。
結合方法は何でもよいですが、Adobe公式のPDF結合ツールが確実です。
これを後の組織アカウント登録時の、組織証明書類として利用します。
NOTE
筆者が開業届のみで申請した際、組織アカウント登録時に「書類不足」で審査が通りませんでした。
そのため、電子申請等証明データシートの結合は必須です。
なお、電子申請等証明データシート下部記載の通り、このデータシートの表示部分は証明書の役割を担っておらず、証明書本体はxmlの中身に含まれています。PDF化した時点でそれらの情報は失われるはずですが、実際には何故かこの方法で審査が通るので良しとしましょう。
5. ドメイン取得
独自ドメインの必要性
組織アカウント登録時に独自ドメインの事業Webサイトの提示が求められます。また、後のステップ(ステップ8)で独自ドメインのメールアドレスも必要になります。
本サイトにおける「yukapero.com」のような独自ドメインを取得し、そのドメイン上にWebサイトを構築する手順を解説します。
Cloudflare Registrar
ドメインを取得するサービスは数多く存在しますが、Cloudflare Registrarがオススメです。
Cloudflareなら、ドメイン登録だけでなく、後続のステップの「Webサイト構築~デプロイ」、「ルート設定」、「独自ドメインのメールアドレス取得」もCloudflareプラットフォーム内の機能だけで完結するメリットがあります。
なお後続のステップの解説はCloudflareでドメインを管理していることを前提としています。
新規ドメイン登録手順
まずCloudflare公式サイトから新規会員登録を行います。
Cloudflare公式サイト
登録が完了したら、Cloudflare Registrarのドメイン検索ツールで目的のドメインが取得可能かを調べ、Purchase or Confirmボタンを押して購入します。
ドメイン検索ツール
ドメイン検索結果
取得が完了したら、Cloudflareダッシュボードのアカウントホームのドメイン一覧で、取得したドメインが表示されていればOKです。
Cloudflareダッシュボード
NOTE
ドメインの料金はトップレベルドメイン(.comや.jpなどの末尾の文字列)によってピンキリです。
$1/年のものもあれば、$1000/年のものもあります。
買い切りではなく毎年掛かる費用なので、コストを考慮して決めましょう。
6. Webサイト構築~デプロイ
Cloudflare Workers/Pages
組織アカウント登録時に企業(事業)Webサイトの提示を求められるため、「5. ドメイン取得」で取得した、あなたのドメイン上にWebサイトを展開する必要があります。
Cloudflareでドメインを取得した方は、Cloudflare WorkersまたはCloudflare Pagesを用いて簡単にあなたのドメイン上にWebサイトを立ち上げることが可能です。
Cloudflare Workers
Cloudflare Pages
フルスタックアプリケーションならWorkers、静的サイトならPagesを用いますが、基本的にはWorkersがPagesの上位互換なので、迷ったらWorkersを選びましょう。
ちなみにWorkersでも月間10万リクエストまでは無料(2025年10月時点) となるので、通常はコストは掛かりません。
Webサイトの内容
サイトの内容としては、簡易的な事業内容や自身の自己紹介のみのページで十分だと思われます。
筆者の場合は、現在の運営情報ページの超簡易版の1ページのみのサイトで組織アカウント登録を試みましたが、難なく審査に通りました。
内容としては次の通りです。
このWebサイト上で今後したいこと(個人開発やIT技術に関する情報発信)をカジュアルに記載
実名や住所、学校名や企業名等のプライバシー情報は全てぼかした上での簡易的な経歴
よって、とにかく一旦審査を通すことだけが目的なのであれば、ChatGPTなどを使いながら適当にHTML、CSSだけの簡単なWebページを作成するだけで十分であると思われます。
Webサイトを実装したら、Cloudflareの指示に従って任意の方法でCloudflare上にサイトをデプロイしましょう。
特にこだわりが無いのであれば、「ファイルをドラッグアンドドロップする」の方法が最もお手軽です。
Cloudflare Workers/Pagesの選択肢
7. ルート設定
ルート設定機能
取得したドメインにアクセスしたら、前セクションでデプロイした、あなたの事業WebサイトにアクセスされるようにDNS設定を行う必要があります。
例えば本サイトだと、https://yukapero.com にアクセスしたらこのWebサイトに繋がるように設定しています。
ルート設定手順
Cloudflare Workers/Pagesのダッシュボードページにてプロジェクト(赤枠) が表示されているので、これを選択し、プロジェクトページへ移動します。
Cloudflare Workers/Pagesダッシュボード
続けてプロジェクトページの設定タブ(赤枠) を選択して、プロジェクトの設定画面を開きます。
プロジェクトページ
プロジェクトの設定画面が開いたら、ドメインとルートの追加ボタン → カスタムドメインを選択します。
ドメインとルート
カスタムドメイン
前のステップで取得したドメインを入力し、ドメインを追加ボタンを押して完了です。
ドメインを追加
動作確認
取得したドメインをブラウザのアドレスバーに入力して、アクセスできるか確認しましょう。
ただし、ドメイン設定がDNSに十分反映されるまで数時間から最大48時間掛かるため、アクセスできない場合は時間をおいて再度試してください。筆者の場合は1時間も掛からずにアクセスできるようになりました。
8. 独自ドメインのメールアドレス取得
独自ドメインのメールアドレスの必要性
組織アカウント登録時に独自ドメインのメールアドレスが求められます。事業の連絡先として使用され、フリーメール(Gmail等)ではなく独自ドメインのメールアドレスである必要があります。(フリーメールなどで登録しようとするとエラーで先に進めません)
前のステップで取得したドメインを使って、「xxxxxx@<あなたのドメイン>」といったメールアドレスを作成します。
Email Routing設定
「xxxxxx@<あなたのドメイン>」といったメールアドレスにメールが送信されると、普段使用しているメールアドレスに転送されるように設定します。
まずCloudflareのダッシュボードのアカウントホームを開き、取得したドメイン名を選択します。
アカウントホーム
ドメインのダッシュボードページに遷移したら、左のサイドバーからメールアドレス→Email Routingを選択します。
ドメインダッシュボード サイドバー
Email Routingページでルーティングルールタブを選択します。
Email Routingページ
ルーティングルールタブが表示されたら、カスタムアドレスのアドレスを作成ボタンを選択します。
ルーティングルール
カスタムアドレスの設定を行います。
| 項目 | 入力事項 |
| カスタムアドレス | @の前の部分(ユーザー名)となる、あなたの好きな文字列を指定します。supportやdonotreplyが一般的です。 |
| アクション | メールに送信を指定 |
| 宛先 | 普段お使いの任意のメールアドレス |
ルーティングルール
保存ボタンを押したら設定完了です。
NOTE
この手順で設定したメールアドレスは受信専用のため返信することはできませんが、組織アカウントの審査上は受信のみで十分なのでご安心ください。
動作確認
任意のメールアドレスから設定したカスタムアドレス宛にメールを送信し、指定したメールアドレスへ転送されるかテストしておきましょう。
なお送信元と転送先のアドレスが同一の場合、Cloudflareのシステム上の制約で正常に転送されないので、関係ない別のアドレスからメールを送ってテストしましょう。
9. DUNS番号の発行
DUNS番号の必要性
Apple/Googleの両方で、組織アカウント登録にはDUNS番号が必須です。DUNS番号は企業識別用の国際標準番号で、組織の実在性を証明するために使用されます。
DUNS番号の新規発行
AppleのD-U-N-S番号の検索ページからDUNS番号の発行処理を無料で行うことが可能です。
DUNS検索
「D-U-N-S番号の検索」というタイトルが紛らわしいですが、検索を行った結果、まだ番号が発行されていないことが確認できたら、新しく発行する案内に切り替わります。
フォームに従って必要事項を入力していきましょう。
| 項目 | 入力事項 |
| 地域 | Japan |
| 法人名 | 開業届に記載した屋号を入力 |
| 本社所在地 | 契約したバーチャルオフィスサービスから借りている住所を入力します。英語表記が必要なため、君に届け!などの日本語住所を英語住所に変換してくれるサービスを参考にできます。 |
| あなたの連絡先情報 | あなたの実名と電話番号 |
| 仕事用のメールアドレス | ステップ8で作成したカスタムメールアドレス(xxxxx@<あなたのドメイン>) |
フォームを送信すると検索は即時行われ、(当然)見つからなかった場合は、そのまま新規DUNS番号発行申請が行えるので、指示に従って申請しましょう。
NOTE
東京商工リサーチを起点に番号発行申請を行うこともできるようですが、無料プランでの発行の場合、納期目安が30営業日と尋常ではない長さとなっています。
DUNS検索
本記事で紹介しているApple起点での発行(無料)でも、結局はApple->D&B->東京商工リサーチというルートで、東京商工リサーチを介することになるのですが、筆者の場合は申請から2営業日ほどで番号発行まで完了しました。この30営業日という目安は、私の経験と大きくかけ離れています。
理由は不明ですが、Apple起点だと数日で完了する可能性があります。
DUNS番号発行申請受理通知
DUNS番号の発行を申請後、申請を受理したことを知らせるメールがD&B社により即時届きます。(個人情報は伏字(*)にしています)
東京商工リサーチからの申請内容の確認メール
申請から週末を跨いで3日後、東京商工リサーチから次のような連絡がありました。
聞かれていることを正直にそのまま答えるだけです。
念の為一点だけ注意点としては、 「②個人事業主様の確認:個人事業主様でいらしゃいましたら、その旨お知らせください。」 には正直に個人事業主であると回答しましょう。
質問事項に回答後、当日中に東京商工リサーチより次のような連絡を頂きました。
発行完了の連絡
東京商工リサーチからの連絡に返信した翌日、無事次のようなDUNS番号の発行完了のメールがD&B社より届きました。
これによりDUNS番号の発行が完了しました。
メール記載のDUNS番号を、後のApple, Googleの組織アカウント登録時に利用します。
10. Apple/Googleアカウントの作成(任意)
Apple Developerアカウント及びGoogle Developerアカウントは、Apple/Googleアカウントを土台として、それに開発者機能を追加するような形で取得します。
よって、まずはApple/Googleアカウントの取得が必要です。
ここでは組織情報はまだ登録しないので、特に注意点はありません。
Appleアカウントの作成
こちらからAppleアカウントを作成しましょう。
Appleアカウントの作成
Googleアカウントの作成
こちらからGoogleアカウントを作成しましょう。
Googleアカウントの作成
NOTE
既に個人でアカウントをお持ちの方はそちらを流用することも可能ですが、事業用と個人用で分けたほうが管理しやすいです。
11. Apple - 個人アカウント登録(任意)
WARNING
最終的に組織アカウントとして登録することを目指しますが、筆者の場合は一旦個人アカウントとして登録し、その後組織アカウントへの移行を申請する形で実現したため、そのフローに沿って解説しています。未検証ですが、お急ぎの方は最初から組織アカウントでの登録を申請した方がよいかもしれません。
個人から組織へ更新
登録手順
Apple Developerのアカウントページへアクセスし、今すぐ登録を選択します。
Apple Developerアカウントページ
規約がずらっと表示されるので、確認して次に進みます。
まずは氏名や住所、電話番号などの個人情報の入力が求められるので、フォームに従って登録しましょう(登録済みの場合はスキップされます)。
個人情報の登録 (画像では英語ですが、環境によって日本語表記になる場合もあります)
注意点としては次の通りです。
住所がローマ字での入力を求められている場合、君に届け!などの日本語住所を英語住所に変換してくれるサービスを参考にできます。
日本の国番号は 「+81」 なので、電話番号が080-1234-5678の場合は 「+818012345678」 が国際的な電話番号表記になります。(番号の頭の0を+81にする)
次に、法人の種類を選択します。
ここでは一旦個人/個人事業主を選択します。
法人の種類を選択
法的な取り決めについてずらっと表示されるので、確認して次に進みます。
すると購入前の確認画面が表示されるので、問題なければPurchaseボタンからメンバーシップを購入します。
Appleアカウントの作成
NOTE
本記事ではWeb経由での登録方法を紹介しましたが、Apple Developerアプリを介してDeveloperアカウントを作成することも可能です。
Apple Developerアプリ
iOS端末またはmac
OS端末をお持ちで、万一Web上での登録が上手くいかない場合は、公式のこちらのフローに従って、アプリ経由での登録を試しましょう。
WARNING
場合によっては本人確認書類を用いた本人確認が求められます。
その場合、メール応対での確認か、Apple Developerアプリを介して確認が行われます。念の為パスポートやマイナンバーカード、免許証などの本人確認書類の準備もしておきましょう。
メンバーシップ購入確認メール
購入が完了したら、間もなく購入確認メールが届きます。
件名「ご注文ありがとうございます ***」
上記メールから約2時間後に納品書(PDF)が添付された、次のようなメールが届きました。
件名「請求金額のお知らせ: ***」
WARNING
現段階では登録は完了しておらず、審査中のフェーズとなります。
メンバーシップ購入後も、Developerのアカウントページにおいて次のようにメンバーシップの購入を促すような表示がされ続けるという分かりにくい仕様なので、重複してメンバーシップを購入しないように要注意です。
購入確認のメールが届いたら、最大48時間は何もせず大人しくAppleからの連絡を待ちましょう。Appleによる特大トラップ
Apple Developer Program登録完了
メンバーシップ購入の翌日、「Apple Developer Programへようこそ」といった件名のメールが届きました。
これで無事Apple Developer Programへの登録が完了したことを示します。
件名「Apple Developer Programへようこそ」
Apple Developerのアカウントページへアクセスし、メンバーシップの詳細が表示されることを確認しましょう。
メンバーシップ詳細
12. Apple - 個人から組織アカウントへの移行申請
移行申請
Apple Developerのアカウントページのメンバーシップの詳細で、情報を更新ボタンを選択します。
メンバーシップ詳細
組織のメンバーシップに切り替えるを選択します。
「情報を更新」のダイアログ
すると、Appleからの連絡を待つように指示がされます。
翌日、次のようなメール(一部抜粋)が届きます。
移行処理を開始してよい旨の返信をすると、間もなく次のような①と②の2種類のメールが届きます。
①
②
②の本文中の 「更新」リンクから、組織移行申請を続行します。
リンクを開くと、次のような組織メンバーシップ移行の注意点が表示されるので、内容確認して次に進みます。
組織アカウント移行 注意事項
DUNS番号エラーの対処
法人名に屋号を、DUNS番号にステップ9で発行したDUNS番号を入力し、続けるボタンを押します。
DUNS番号の照合
しかし、DUNS番号の欄でエラーが発生します。
DUNS番号でエラー
これは恐らく、入力されたDUNS番号が照会された結果、「個人事業主」として番号が登録されているためシステム的に弾かれているのだと思います。
DUNS番号は個人事業主として発行しましたし、ここまでAppleは再三、「個人事業主は個人として登録してね!」と催促してきたわけなので、ここでエラーが発生するのは当然と言えば当然かもしれません。
とは言え飽くまでも推測に過ぎないので、次のメールに返信する形でダメ元で本エラーについて問い合わせを行います。
問い合わせのために返信するメール
問い合わせ内容としては、参考までに次のようなものを送りました。
問い合わせをしたところで「個人事業主は個人アカウントでお願いね〜」で終わりそうなものですが、
組織アカウント移行 注意事項
このように、Appleサポートが直々にDUNS番号を検証した上で、手続きを進めさせてくれます。
色々と疑問が残りますが、Appleが検証した上でOKと言っているので、お言葉に甘えて次に進みます。
WARNING
「組織アカウントの登録要件」のセクションでも触れましたが、堂々とAppleの目を通して申請しているとは言え、グレーの可能性があることには注意が必要です。
何故このような仕様であるのかについては色々と考察できますが、あまり触れてはいけない大人の事情がありそうで、真実に近づいたところで誰も幸せにならない未来が見えるので、深堀りはやめておきます。
移行申請:RE
DUNS検証のスキップ
DUNS番号が任意となっており、CAPTCHAのフォームが消滅しています。
サポートが手動でシステム的なDUNS検証をスキップさせてくれていると思われます。
屋号と、念の為再度DUNS番号を入力して次へ進みます。
すると、組織情報の登録フォームが表示されます。
法人名やDUNS番号、住所などはDUNS番号に紐づく情報が自動入力されており、変更できないようになっています。
次の項目は入力の必要があるので、適宜入力します。
| 項目 | 入力事項 |
| Website | ステップ5で取得したドメインのURLを入力(事業Webサイト) |
| Phone Number | ステップ2で取得した事業用の電話番号を入力 |
| Confirm your signing authority | I am the owner/founderを選択 |
| Your Work Email | ステップ8で設定した、あなたのドメインのメールアドレスを入力して、SendCodeボタンを選択 |
| Verification code | Your Work Email宛にコードが送られてくるので、ここにそれを入力 |
入力が完了したら、Submitを押して確定させます。
すると、すぐに次のようなメールが届きます。
組織メンバーシップへの変更申請受理メール
ここまで進めたら、審査が完了するまでしばらく待ちましょう。
完了
筆者の場合は申請した翌日に次のようなメールが無事届きました。
組織メンバーシップへの変更申請受理メール
メールの指示に従って使用許諾契約に同意したら、メンバーシップの移行完了です。
ちなみに個人メンバーシップ購入時に既に料金を支払っているので、移行に伴って再度メンバーシップを購入する必要はありません。
メンバーシップ詳細
メンバーシップ詳細で、登録タイプが「個人」から「組織」に変わっていることが確認できます。
13. Google - 組織アカウント登録
登録手順
するとアカウント種類選択画面が表示されます。
Appleと違い、Googleでは個人事業主の立場での組織アカウント作成が公に認められているため、堂々と組織用の企業またはビジネスを選択して次に進みます。
アカウント種類選択
組織アカウント作成に必要なものを列挙してくれています。
確認して次に進みます。
組織アカウント作成に必要なもの一覧
デベロッパー名を指定します。
屋号を入力して次に進みます。
デベロッパー名の設定
お支払いプロファイルを作成または選択を選択します。
お支払いプロファイル
新しいお支払いプロファイルを作成するにチェックを入れて次に進みます。
お支払いプロファイルの新規作成
ステップ9で発行したDUNS番号を入力して次に進みます。
DUNS番号の設定
すると、DUNS番号発行時に登録した、屋号、事業者住所、電話番号などの情報が即時表示されます。
内容を確認して、間違いなければ次に進みます。
DUNS情報の確認
プロファイルの情報が間違いないことを再度確認した上で、次に進みます。
プロファイル確認
組織の情報を入力して次に進みます。
| 項目 | 入力事項 |
| 組織の規模 | 1~10人 |
| 組織の電話番号 | ステップ2で取得した事業用電話番号を +818012345678 形式で入力 |
| 組織のウェブサイト | ステップ5で取得したドメインのURLを入力 |
組織情報の設定
デベロッパープロフィールの設定を行って次に進みます。
| 項目 | 入力事項 |
| デベロッパーの電話番号 | ステップ2で取得した事業用電話番号を +818012345678 形式で入力 |
| デベロッパーのメールアドレス | ステップ8で設定した独自ドメインのメールアドレス(xxxxxx@<ドメイン>)を入力して、メールアドレスを確認ボタンを選択します。すぐに認証コードが届くので、それをフォームに入力します |
デベロッパープロフィール設定
情報について適当に入力して次に進みます。
あなたの情報
Googleからの連絡方法を設定して次に進みます。
| 項目 | 入力事項 |
| 担当者名 | 自身の実名を入力します |
| 連絡先メールアドレス | ステップ8で設定した独自ドメインのメールアドレス(xxxxxx@<ドメイン>)を入力して、メールアドレスを確認ボタンを選択します。すぐに認証コードが届くので、それをフォームに入力します |
| 使用する言語 | 日本語 |
| 連絡先電話番号 | 事業用電話番号またはプライベート電話番号を入力 |
Googleからの連絡方法
アプリについてのアンケートに適当に答えて次に進みます。
※画像に表示されている入力内容は適当で、yukapero.comの実態を表すものではありません
アプリ
よしなにチェックボックスを埋めて、$25の支払いを行います。
登録料の支払い
これにてアカウント作成は完了ですが、まだ重要な設定が残っています。
Google Play Consoleのダッシュボードに移動すると、
本人確認
組織のウェブサイトを確認する
の2項目について催促されます。
本人確認を選択すると、次のようなダイアログが表示されます。
アカウント種類選択
この組織の登録書類に関しては、ステップ4で作成した開業届と電子申請等証明データシートを結合したPDFを指定して提出します。
審査のため1日ほど待たされた後、通れば次のステップに進めます。
この後、本人確認やWebサイトの所有権の確認などがありますが、特に注意点や詰まりポイントはなく、Google先生の親切なUIに沿って指示通り入力や設定を行うだけなので省略させて頂きます。
おわりに
長い道のりでしたが、ここまでお疲れ様でした!
これらの作業は所詮はアプリリリースの準備段階ですが、ネット上の断片的な情報を頼りに進めるのはなかなかハードルが高く、筆者は長い時間を浪費してしまいました。
これから筆者のようにスマホアプリ開発に挑戦しようと考えている方々が、スタートラインに立つ前から挫折することのないよう、本記事が少しでも役に立てば嬉しい限りです。
ちなみに、組織アカウント登録が完了した時点で準備段階の最大の山場は越えたと言えますが、有料アプリを配信する場合は、さらに「税務情報の登録」の手続きを行う必要 があります(U.S. Substitute Form W-8BEN-E など)。
それらに関しましてはまた別記事で解説させて頂きます。

